2021/04/15 16:17


こんにちは、革工房ユウナギ店主の田中大貴です。

久しぶりのブログ更新。今回はメルセデス・ベンツ用のキーレスケースをオーダーメイドで制作しました。

ルイヴィトン製品をコレクションされている厨房向け調理器具の販売を行っている会社の代表者様からのオーダーです。

仕上がりは下記の写真の通り。



ブラックのクロコ革に赤のステッチで。
クロコ革を使った製作ははじめてでしたが、なかなかに苦戦しました。

理由は下記の2つです。

1,クロコ革表面の独特な凹凸が裁断、縫製の邪魔になる
2,コバ面(革の側面)の処理が大変

ハンドメイド感あふれる縫い目になってしまった…依頼主さんからは「手作りっぽくてええやんか」と言っていただきましたが、
クロコ革でも精密に縫えるようもっと修行しないとです。

メルセデス・ベンツ用キーレスケースの製作


製作→納品、製作→納品、製作→納品、を3度繰り返して完成。

初回作ったときはキーレスケースとキーレスの隙間があり、収納時にキーレスが僅かにズレてしまう状態にありました。
再度キーレスをお預かりして製作。

2度目の納品。

キーレスの収まりは良くなりました。
依頼主様の移行で、キーホルダーに付けるベルト(これもクロコ革で製作)を短くしてほしいとの依頼があり、
再度ケースを持ち帰ることに。

3度め目の納品。

写真にある通り、既存で使われているキーホルダージャストサイズを狙って作れたつもりです。
依頼主様にも喜んでいただけたようで良かったです。


革工房ユウナギのコバ面処理


革工房ユウナギで作る商品はコバの処理を最小限に抑えています。
理由はコバがつるつるテカテカになると人工的なニュアンスが出てしまうからです。

個人的にナチュラルな雰囲気が好きなのでわざとにコバの処理を少なめにしています。

コバ処理が少なくとも、いい革を使い、断面がしっかりとできていれば下記の写真のように自然とコバが溶け強くなります。


▲店主の田中が使用:キャメル色のイビザ革製キーケース

革工房ユウナギのコバ処理は

1,コバ銀面(表面)の面取り→大根の面取りの要領でフチを薄く削ります
2,ヘリ潰し→黒檀のスリッカーを用いて革のヘリを潰します
3,トコノールor水でコバ磨き→SEIWAさん製のトコ処理剤トコノールや水を使ってコバを軽く磨きます

の3工程で行っています。

今回のクロコ革オーダーでは依頼主様からコバ面を強くしてほしいとのオーダーがあったため「イリス」を用いて
コバ面に顔料っぽく層を作りました。

(側面のアップ写真撮り忘れましたw)

といった具合に、お好みに合わせてなるべくそのイメージに近づけるようがんばって製作しています。

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